会場の一角に設けられる茶道実演・体験スペース
(台南 30日 中央社)台湾の奇美博物館(台南市)は、三菱関連団体である静嘉堂(東京都)の名品約100点を集めた陶磁器の特別展「おもてなし 宴のうつわ・茶のうつわ」を30日から開催する。
29日に開かれた開幕式典で、奇美グループを代表してあいさつに臨んだ奇美実業の許春華会長は、同社と三菱商事は半世紀余り協力関係を続けてきた事業パートナーで、グループ創業者の許文龍氏が創立した奇美博物館が2015年に現住所に移転オープンした際、三菱グループが祝福の意を込めて、静嘉堂所蔵品の海外展示を決定したと紹介した。
静嘉堂は旧三菱財閥の第2代総帥、岩崎弥之助と長男、小弥太の父子二代によって設立され、国宝7点を含む約20万冊の古典籍、6500点の東洋古美術品を収蔵している。佐々木幹夫理事長は、厳選された器や茶道具の展示を通じて日本のおもてなし文化を伝えたいと語り、日台間の文化交流がさらに深まることに期待を示した。所蔵品の大規模な海外展示は、起源とされる1892年以来初めてだという。