祇園祭・前祭(さきまつり)の山鉾巡行(17日)を1週間後に控え、京都市中心部で10日、鉾建てが始まった。くぎを使わずに荒縄で部材を固定する「縄がらみ」の技法で、巨大な鉾の土台となる櫓(やぐら)が組み上がっていった。
早朝の強い雨が上がり、蒸し暑さの中、長刀鉾、函谷(かんこ)鉾、月鉾、鶏鉾の町内で作業が始まった。手伝い方や作事方と呼ばれる大工たちが、「東南」や「未申(ひつじさる)」と書かれた部材を組み、ビルが林立する四条烏丸周辺に乾いたつち音を響かせた。見物客たちは、手際の良い縄さばきを眺めていた。
長刀鉾では「清祓(きよはら)いの儀」が行われ、無事を祈って鉾に用いる部材や道具をおはらいした。
前祭の23の山鉾は14日までにすべて建てられる。長刀鉾と四条室町近辺の四つの鉾は12日に曳初(ひきぞ)めを行う。13日は新町通の三つの鉾と曳山が実施する。