(台北 10日 中央社)台北市政府は10日、パソコン大手、華碩電脳(エイスース)傘下の亜旭電脳(アスキー)と共同で、台北駅をスマート化する計画の始動を発表した。動線を分かりやすくすると同時に、スマートシティの実現に向けて前進するのが狙い。華碩の施崇棠董事長(会長)は、「大迷宮」の汚名返上に自信を示した。
台北駅は台湾鉄道(台鉄)、台湾高速鉄道(高鉄)、台北メトロ(MRT)、桃園メトロの4社5路線が乗り入れる台湾最大のターミナル駅。1日当たりの利用者数は52万人を超える。だが、駅構内は複雑で迷いやすく、利用者からは「大迷宮のようだ」との声が上がっていた。
台北市政府は現状を改善しようと、台北駅のスマート化計画を策定。競争入札と審査の末、亜旭電脳により組織された専門チームがシステムの設計や設置、運営を請け負うことが決定した。
導入されるのは、歩行者用経路誘導システム、列車の時刻検索や駅構内のナビゲーションが可能なスマートフォン用アプリケーション、観光・交通情報サービス、消防・安全モニタリング、駐車場のIoT(モノのインターネット)化など5項目。
来月19日に控えるユニバーシアード台北大会の開幕前には、経路案内のキオスク端末が駅構内に、観光案内のデジタルサイネージ(電子看板)が地下街や駅周辺のバス停にそれぞれ設置され、試験運用が開始される予定。全ての設備の導入完了は今年11月を見込む。