大津市松本1丁目の平野神社で9日、蹴鞠(けまり)奉納祭が営まれた。赤や緑などの色とりどりの装束に身を包んだ蹴鞠保存会(京都市)のメンバーが、白い鞠を青空へ軽快に蹴り上げた。
同神社の祭神、猿田彦命(さるたひこのみこと)は蹴鞠の守護神とされる。奉納は、平安時代の伝統を後世に残そうと毎年行われている。この日は鞠水干(すいかん)、鞠袴(はかま)と呼ばれる装束姿の鞠人8人が熟練の技を披露した。
強い日差しの中、鞠人は円になり、「アリ「ヤウ」「オウ」と掛け声を発しながら小気味よく鞠を蹴り渡した。鞠はサッカーボールに比べて軽く、脚でのコントロールが難しいという。地面に落とすことなく次々と蹴り上げられると、約150人の見物客から拍手が沸き起こっていた。