豪快に方向転換をする北観音山の辻回し
祇園祭の後祭(あとまつり)の山鉾巡行が24日、京都市中心部で行われた。豪華な懸装品(けそうひん)に飾られ、個性豊かなご神体人形を載せた10基の山と鉾が晴れの都大路を進んだ。町衆の心意気を継ぐ者たちが継承してきた「動く美術館」に、沿道から拍手が送られた。(19、22面に関連記事)
午前9時半、くじ取らずの先頭、橋弁慶山が中京区御池通烏丸を東へ出発。弁慶と牛若丸の人形に見物客の視線が集まった。真松(しんまつ)を揺らす北観音山に、平家物語の一場面を表す、曲芸的な人形を載せた浄妙山が続いた。御池通では、山鉾で奏でられる祇園囃子(ばやし)と、ケヤキ並木から降り注ぐ蟬(せみ)時雨が響き渡った。
市役所前で行われたくじ改めでは、くじ箱のひもを扇子でほどく独特の所作に歓声が上がり、交差点では、巨大な山や鉾が豪快に進行方向を変える辻(つじ)回しが注目を集めた。しんがりの大船鉾は、約150年ぶりに、船首に木彫りの龍頭(りゅうとう)を載せて進んだ。
山鉾は御池通から河原町通、四条通と市中心部を時計回りに巡行。各通りの沿道では、日曜開催とあって昨年より4万人多い10万人(京都府警調べ)が見入った。
山鉾行事は国の重要無形民俗文化財。山鉾は合計33基あり、そのうち、後祭グループの10基がこの日巡行した。