弁慶(上)対マグニチュード岸和田。力勝負を繰り広げた
弁慶のマスクを剝がしたマグニチュード岸和田はガッツポーズ。弁慶は手で顔を覆った
巨体の弁慶と大阪の悪役マグニチュード岸和田がぶつかり合う。場外乱闘にマスク剝がし。相次ぐプロレスの醍醐味(だいごみ)に会場は沸いた。
京都にちなんだレスラーが戦う「京都プロレス」が今春、復活した。
京都市中京区で芸能プロダクションを経営する中村健次さん(48)が2011年に立ち上げたが、選手とのトラブルで、14年に活動を休止していた。友人らの励ましで、再度レスラーを集め、3月から市内で定期的に興行を行っている。
会場には、子どもや若い女性の姿も目立つ。妖怪レスラーは妖術を使い、鴨川ゾンビーは怖がらせようと観客に迫ってくる。笑いの演出があちこちにちりばめられ、右京区の会社員井上裕貴さん(23)は「女性でも親しみやすい」と笑顔で話した。
背景には中村さんの幼少時代がある。家が貧乏で漫画も買えなかった。「家族が楽しめるプロレスを目指している」
今月、忍者など滋賀県にまつわるレスラーが所属する「滋賀プロレス」も立ち上げる。28日に竜王町の「道の駅アグリパーク竜王」で、入場無料のお披露目興行を行う。復活を促した友人の一人で、祇園でステーキハウスを共同経営する清水達也さん(43)も「祇園プロレス」を立ち上げ、悪役レスラーを育てている。今後は、各団体が競り合う展開も見据える。
中村さんは「プロ志望者のプロレス教室も開いていく。地域に根差して、見る人に夢を与えたい」と力を込めた。