(彰化 16日 中央社)豊作の影響で、バナナの産地価格が崩落している。農家を救おうと、行政院(内閣)農業委員会農糧署は彰化県農会(農協)と協力し、販促キャンペーンを実施。消費者にバナナの購入と消費を呼び掛けている。
バナナの平均産地価格は今年2月の1キロ86.46台湾元(約320.6円)から9月には同8.41元(約31.2円)まで下落。採算割れが数カ月にわたり続いており、主要産地の一つである南部・高雄市旗山の農家は「栽培するほど損失が大きくなる」と悲鳴を上げる。この農家によると、最近の価格はバナナ栽培に従事してきた40年余りで最低だという。
農糧署中区分署と彰化県農会は14日、県内で販促イベントを開催。農糧署の公式フェイスブックページに「いいね!」を押した参加者にバナナ一袋をプレゼントした。会場にはバナナを目当てに多くの人が駆けつけた。
農糧署の蘇茂祥副署長によれば、今年は高温によってバナナの成長速度が早く、生産量が増加したのに加え、過去2年はバナナの価格が比較的高かったため、農家は栽培量を増やしていた。一方で、暑さのために消費者は水分が少ない果物に手が伸びにくく、消費量は減少。供給過多になった。
農糧署は産地の各県市に対し、バナナの大量購入・加工をする業者を募集するよう要請したほか、法人の大量購入や輸出拡大の措置を行っている。