李大維外相
(台北 19日 中央社)中華民国と国交を結ぶドミニカ共和国に中国大陸と接近する動きが見られ、断交を懸念する声が出ている。李大維外交部長(外相)は18 日、すでに長期にわたりドミニカ共和国の動向に注意を払っていると明かした。同部の劉徳立常務次長は同日までにドミニカ共和国に向けて台湾を出発したという。
李部長は同日、立法院(国会)外交および国防委員会に出席。野党・国民党の江啓臣立法委員(国会議員)は、ドミニカ共和国のミゲル・バルガス・マルドナド外相が中国大陸の王毅外相と先日開かれた国連総会の期間中に握手を交わし、共に記念撮影した写真を公開した一方で、台湾を支持する発言をしなかったことに言及。今年6月に国交を断絶したパナマの二の舞にならないよう注意を払うべきだと指摘した。これを受け、李部長は劉次長のドミニカ共和国訪問について明らかにした。
李部長は今年7月にドミニカ共和国を訪問。だが、その際李部長はバルガス外相と面会できなかった。外交部は、バルガス外相は公務で海外滞在中だったため、外相代理が李部長に付き添ったと説明した。
同部職員によれば、劉次長のドミニカ共和国訪問は、交流促進のためで国交に問題が生じたからではないという。
この職員は、ドミニカ共和国がバルガス外相と王外相の記念写真を公開した理由について、来年、国連安全保障理事会の非常任理事国入りを目指す同国が中国大陸の支持を得ようとしたためだと分析している。