台風21号による暴風警報の中で行われた鞍馬の火祭
鞍馬の火祭が22日夜、京都市左京区鞍馬本町の由岐神社一帯で営まれた。台風21号による暴風雨をものともせず、大松明(たいまつ)は明々と炎を上げ、勇壮な掛け声が集落に響いた。
京都三大奇祭に数えられる鞍馬の火祭は、940年に由岐神社の祭神を御所から鞍馬に迎えた際、松明を携えた人々が列をなしたという故事に基づく。今年は台風の影響で、保存会によると初めて神輿(みこし)渡御を取りやめた。
午後6時、「神事に参らっしゃれ」という呼び声を合図に、子どもらが松明を担いで練り歩き、家々のかがり火に次々と火がともった。
雨風が一段と強まってきた午後8時過ぎ、「サイレイヤ、サイリョウ」と掛け声を上げ、男衆が担ぐ大松明が鞍馬寺山門前に集結。風雨にあおられた火の粉が舞い、熱気を帯びた煙に包まれる中、男衆たちは力強く掛け声を上げて松明を掲げ、約千人の見物客(京都府警調べ)を魅了した。