(台北 30日 中央社)台湾鉄道(台鉄)で29日夜、架線や信号の不具合など計3件のトラブルが発生した。これを受け、賀陳旦・交通部長(交通相)は30日、検討中だった台鉄の運賃について、今後1年以内に値上げはしないと表明した。まずは台鉄にサービスの改善を要求し、後に運賃調整を検討すると述べた。
3件のトラブルは、29日午後7時から午後8時にかけて発生。台南-保安間(いずれも台南市)では架線が断線し、電車38本、乗客1万5508人に影響が出た。また、大里(宜蘭県)-貢寮(新北市)間で架線の送電トラブル、竹南駅(苗栗県)では信号故障が起きた。台鉄によれば、30日未明までにいずれの修復作業も完了している。
賀陳部長は30日、立法院(国会)交通委員会に出席。29日に台鉄で起きたトラブルについて、複数の立法委員(国会議員)から質問が飛び、これ以上注意を怠れば、重大な事故が発生しかねないと指摘された。賀陳部長はこれに対し、台鉄のミスを認め、改善を要求するとともに、今後1カ月以内に原因を追究するとした。
台鉄の運賃は1995年以来据え置かれており、赤字経営が続いている台鉄は運賃改定に向けて交通部と協議を重ねていた。賀陳部長は今月16日の同委員会で、早ければ来年にも運賃を値上げするとの見方を示していた。