(台北 3日 中央社)中国共産党(中共)入党を希望する台湾人留学生が2人になった。いずれも北京大学の学生で、先に意思を示していた1人に続き、もう1 人も1日、現地メディアへの投稿で入党の意向を明らかにした。
これを受け、対中国大陸政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会は2日、極めてまれなケースだとした上で、ごく少数の人の選択は台湾人民の郷土愛と自由民主主義という価値観の堅持に影響しないとする声明を発表した。
同委員会は、中共のこれまでの台湾に対する接し方は台湾の民意に反するものだとして、体制の相違を強調。台湾人留学生に対し、台湾全体の利益のためにも中華民国の法律を順守するよう呼び掛けた。
中共の規定では、入党資格があるのは中国大陸籍保有者のみ。台湾人の入党を巡っては、台湾生まれ、台湾育ちながら中国共産党入りし、先月の第19回党大会に「台湾代表」として出席した女性の前例がある。
一方で、両岸(台湾と中国大陸)間の交流のあり方を定めた「両岸人民関係条例」では、中華民国籍者が大陸で公職に就くことを禁じており、違反者には10 万~50万台湾元(約38万~189万円)の罰金が科される。また、大陸に戸籍を設けたり、旅券を取得した者は台湾における身分や全ての権益を喪失することも定められている。