ずらりと並ぶ「まねき看板」
12月1日に開幕する京都の顔見世興行を前に、歌舞伎俳優たちの名を看板に墨書する「まねき書き」が9日、京都市左京区の妙伝寺であった。襲名を披露する橋之助改め中村芝翫(しかん)さん(52)や子息3兄弟の名が看板一杯に書き入れられた。
今年は南座改修中のため顔見世の会場がロームシアター京都(左京区)に変わり、同シアター正面にまねきが掛かる。江戸初期からの顔見世で南座以外でのまねき上げは史上初という。
例年と変わらぬ桧(ひのき)製まねき看板に、大入りを願って看板の隅々まで書く勘亭流の文字が記された。芝翫さんの子息である橋之助さん(21)、福之助さん(19)、歌之助さん(16)ら若手から坂田藤十郎さん(85)ら人間国宝まで約50枚を書いた井上優さん(72)=京都市=は「南座改修中でも絶やさずに書けて良かった。芝翫さんの字は画数が多くて難しいけど、大名跡にふさわしく大きく書きました」と話していた。
「まねき上げ」は25日午前、顔見世は1~18日に行われる。