台風の影響で係留場や降船場が流失し、休業していた保津川下りが10日、19日ぶりに営業を再開した。霧が立ちこめる中、京都府亀岡市保津町の船着き場から観光客や修学旅行生らが乗り込み、秋の紅葉を満喫していた。
保津川遊船企業組合によると、10月22日と29日に連続して近畿圏に最接近した台風21号と22号のため保津川が増水し、桟橋などが流されたり、航路が落石や流木で荒れたりしたといい、臨時休業に追い込まれた。
復旧作業は1日から取りかかり、9日までにほぼ完了した。この日は朝から、川下りを楽しみにしていた観光客らが列をつくり、乗船場から京都市右京区の嵐山に向けて船が次々と出発した。
福岡県から友人と訪れた主婦前村由利子さん(63)は「川下りを目当てに京都に来たので、ほっとした。渓谷の紅葉を船上から楽しみたい」と話し、同組合は「お客様に迷惑をかけてしまったが、紅葉に間に合って良かった」としている。