京都府建築士事務所協会(上野浩也会長)は5日、2017年度建築士事務所キャンペーンとして、モダニズムの名建築・栗原邸(京都市山科区)の特別公開を行った。日本建築士事務所協会連合会との共催。
開始に先立ち、上野会長はスタッフらに「このような趣のあるひなびた場所で開催するのは初めての経験で、ことしは手作りのキャンペーンを企画した。多くの人が来てくれるとうれしい。古い建築物なので見学者にけががないよう気を付けてほしい」と呼び掛けた。
特別公開された栗原邸は1929年に竣工。当時、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)の校長で染色家の鶴巻鶴一の邸宅として、同校教授だった建築家・本野精吾(1882-1944)が設計した。規模はRC・コンクリートブロック造3階建て延べ393㎡。
建築技師の中村鎮によって発明された特殊なコンクリートブロック「鎮ブロック」を使用、仕上げ材を使わずブロックをむき出しにして、機能性や合理性を追求し装飾を排除したモダニズム建築の先駆けとされる。07年にDOCOMOMO Japanにより日本を代表する優れたモダニズム建築の1つとして選定され、14年には国の登録有形文化財に登録された。
当日は、名建築を楽しむため、建物内にクラシックライブやマジックショー、建築探偵スライドショー、木造耐震診断相談といった特設コーナーが設けられたほか、屋上でカフェ、庭園でこけ盆栽教室も行われた。