(「崇仁新町」のイメージ)
京都市は14日、下京区・崇仁地域の市立芸術大移転予定地で、屋台風店舗を並べ、アート行事を行う施設「崇仁新町」を設け、来年2月1日から本格運営すると発表した。地元のまちづくり団体が移転工事が始まるまでの2年半、市有地を無償で借りて運営する。学生が施設のデザインやイベントの企画に関わることで、移転に先駆けて芸術文化を発信し、市立芸大と地域の融合を図る。
崇仁新町は、塩小路高倉南東角の空き地約1千平方メートルに、「同席した人が肩を寄せ合って語らう横町」を目指し、飲食・物販の屋台30店を並べる。年中無休で、観光客や住民ら1日約2千人の来場者を見込み、朝市や夜市も計画する。
市立芸大の学生が、コンテナやウッドデッキを活用した建物の配置やテーブルなどのデザインを考案した。広場やステージで催される芸術文化のイベントについて、企画や実行、広報などを担うという。
崇仁学区の自治連合会理事やまちづくりに関わる大学教授らでつくる一般社団法人「渉成楽市洛座」(下京区)が運営し、企業協賛金やテナント料などで5千万円の初期投資と年1千万円の事業費を賄う。12月22日から順次、イベントを手掛ける。
中京区の市役所で記者会見した渉成楽市洛座の池田正治代表理事は「若い世代の流出が続いてきたが、市立芸大移転とその先駆けになる崇仁新町を契機に、地域や大学が力を合わせて新たなまちづくりを進めていきたい」と話した。門川大作市長は「京都駅東側地域は課題を抱えていた地域だが、現代アートや多文化共生の象徴的な場所にしようという機運が高まっており、支援していきたい」と意気込みを述べた。