左より、謝長廷・駐日代表、洪世佑・国立台湾博物館館長、鄭麗君・文化部長、西山隆雄・JR東日本常務取締役、最明仁・JR東日本執行役員国際事業本部長
(台北 15日 中央社)東日本旅客鉄道(JR東日本)から台湾に寄贈された583系特急寝台電車が15日、台北市の台北機廠鉄道博物館園区に運び込まれた。台湾にもかつては寝台列車があったが、現在は消失。鄭麗君文化部長(文化相)は、車両の寄贈は台湾の鉄道史の再現であり、日台の鉄道文化資産の結び付きになったと喜びを示した。
583系は国鉄時代の1968年に登場。日中は通常の座席、夜間は寝台に変わる設計が採用され、長く日本の首都圏や東北の利用者に親しまれたが、今年4月に引退した。今年8月、JR東日本と国立台湾博物館は車両を譲渡する合意確認書に調印。鉄道博物館園区に収蔵されることになった。
台湾では日本統治時代の1922年に寝台列車が導入された。だが、南北間移動の所要時間短縮に伴い、1982年に廃止され、1995年には台湾鉄路管理局西部幹線の寝台車両が全て解体された。
鉄道博物館園区は日本統治時代の鉄道工場を前身とする車両基地「台北機廠」の跡地を活用した施設で、現在は整備が進められている。