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明治期建築のポンプ室、活用検討へ 京都、疏水べり

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琵琶湖疏水での観光船の本格運航に合わせて保存・活用の検討を始めた旧御所水道ポンプ室(京都市山科区)



京都市は、琵琶湖疏水から京都御所(上京区)へ防火用水を送っていた旧御所水道ポンプ室(山科区)の保存・活用に向け、検討を始めた。来春から疏水で観光船の本格運航が始まるため、明治期の洋館風建物の文化財価値を確かめた上で、民間による改修や利用などの可能性を探る。本年度中に活用策をまとめる。

 御所水道は1912(明治45)年、宮内省が敷設した。蹴上の船だまり近くに設置されたポンプ室は、疏水の水をくみ上げ、近くの大日山貯水池に防火用水をためる役割を担っていたが、市が所有後の92年に取水を停止した。

 有識者らでつくる懇談会の初会合がこのほど、左京区で開かれた。京都国立博物館(東山区)や迎賓館赤坂離宮(東京)を手掛けた建築家の片山東熊が設計した点を踏まえ、近代建築に詳しい石田潤一郎・京都工芸繊維大教授は「デザインや石の使い方がぜいたくで、建造物としての価値は高い」と評価し、丁寧な調査を求めた。

 ほかの委員からも、周辺に数多くある疏水関連の産業遺産との一体的な活用を促す声が出た。建築面積が約160平方メートルで、利用可能な場所が限られている上、耐震改修費もかさむことから、採算面の課題を指摘する意見もあった。

 観光船は2015年度から第一疏水の蹴上-大津間(7・8キロ)で試行され、18年度からは春と秋の計約80日間、1日往復9便を運航する。ポンプ室の前が発着場になる予定で、市上下水道局は「民間の力を借りつつ、岡崎を含めた地域が元気になる活用策を考えたい」としている。



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