夏越祭で茅の輪をくぐり、無病息災を願う参拝者ら
祇園祭を締めくくる「夏越祭(なごしさい)」が31日、京都市東山区の八坂神社境内の疫神社で行われた。厳しい日差しの下、大勢の参拝者が茅(ち)の輪をくぐって厄を払い、無病息災を祈った。1カ月間にわたる祇園祭はこの神事で幕を閉じた。
夏越祭は、八坂神社の祭神素戔嗚尊(すさのおのみこと)が旅の途中で受けた蘇民将来(そみんしょうらい)によるもてなしの返礼に、その子孫の疫病退散を約束したという伝承にちなむ。参拝者は「蘇民将来子孫也」と書いた護符を授かる。
午前10時に始まった神事は蝉(せみ)時雨の中で神職が祝詞を読み上げ、参列した祇園祭の神輿(しんよ)会や氏子組織、山鉾関係者ら約400人が祭りが無事終わったことに感謝した。
八坂神社の森壽雄(ひさお)宮司は「今年も皆さんの支援や協力で立派な祭りができた。神様と人々、人と人を結ぶ祇園祭が世に平安を与え、京の都も平安でありますように」と祈願した。その後、一般参拝者も含めて大勢が茅の輪をくぐり抜け、カヤを持ち帰った。