李明哲氏
(台北 28日 中央社)国家政権転覆罪に問われた台湾の非政府組織(NGO)活動家、李明哲氏に対する裁判で、中国大陸湖南省岳陽市の中級人民法院(地裁)は28日、懲役5年、政治権利剥奪2年の判決を言い渡した。総統府は判決後、声明文を発表し、「民主の理念の伝播は無罪」だと強調。李氏「国家転覆」の罪で裁かれたのは「受け入れられない」と不満を表明し、北京当局に対し、李氏の早期釈放と帰台を呼び掛けた。
かつて民進党の職員を務めた李氏は、長期にわたり中国大陸の民主化の発展に関心を寄せ、台湾の経験をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて中国大陸の知り合いなどに紹介していた。今年3月19日にマカオから中国大陸・広東省に入った後で連絡が途絶え、同29日に中国大陸当局による身柄拘束が発表された。5月26日には国家政権転覆容疑で逮捕されたことも明らかになった。9月11日に開かれた初公判で、李氏は起訴内容を認め、「罪を認め、悔いる」と述べていた。
総統府は、李氏の事件は両岸(台湾と中国大陸)関係をひどく傷つけ、とりわけ民主と自由に対する台湾の人々の堅持と想像に盾突いたことは遺憾だと表明した。
李氏は法廷で、控訴しないと表明している。