京都精華大(京都市左京区)の学生が京の伝統工芸、地場産業の工房・企業に“弟子入り”した成果を発表する「京都の伝統産業実習」報告展が28日、同大学内ギャラリー・フロールで始まった。手仕事の現場で学んだ技術に、学生らしいみずみずしい感覚を注いだ作品が会場を彩っている。
1980年から続く学外実習で、今年は計42人が2週間、染織、京版画、漆芸、組紐(くみひも)、香、文化財修復など21の工房・企業で、職人らの指導を受けた。
竹工芸の工房を体験した学生は、編み上げた柔軟な竹材に革と籐(とう)を組み合わせたモダンデザインの竹かばん、リュックサックを発表。植物染料特有の色の深みがある藍染めハンカチ、漆を施したスマホケース、錺(かざり)金具の技術を生かしたパズルなど自由な発想の約100点が並んだ。
綾部の黒谷和紙の工房で実習した日本画コースの宇野初乃香(そのか)さん(20)は「和紙はとても丈夫で、(墨や絵の具が)いろんなにじみ方をして面白い。日本画を紙から作ってみたいと思いました」と話していた。12月2日まで。無料。