「漫画基地」の着工式の模様
(台北 21日 中央社)台湾初の漫画・アニメに特化した文化スペース「漫画基地」の着工式が20日、台北市華陰街で行われた。華陰街に近い台北地下街は、ゲームや漫画、アニメグッズなどのショップが軒を連ね、“オタク街”として知られる。着工式に出席した文化部(文化省)の丁暁菁次長は「この場所には漫画産業の中心的なエリアとして発展するポテンシャルが隠されている」と期待を寄せた。漫画基地は来年半ばに完成する見通しだという。
漫画は台湾で広く読まれているが、長きにわたって市場の大半を占めてきたのは日本の作品で、台湾の作品はそれに押されてきた。丁次長は、漫画基地の創設は台湾のオリジナル作品をより多くの人に見てもらうのが目的だと話す。儀式に立ち会ったベテラン漫画家の邱若龍さんは、日本の漫画を好む読者が多い一方で、台湾の漫画家も増えてきていると指摘し、未来の読者に影響を及ぼすことができるだろうと期待をのぞかせた。
基地はもともと政府が所有していた空きビル2棟を改修。4階建てで、1階は漫画の展示販売所として使われ、2~3階はテーマ展や作品発表会などを行う多目的スペース、4階は漫画家が集う交流スペースとなる予定だという。
政府は近年、漫画産業の発展推進に力を注いでいる。丁次長によると、同部は来年、政府が進める大規模なインフラ整備計画の特別予算を投じ、漫画家の創作活動を支援するほか、ゲームや映像、ドラマなど他領域への漫画の応用や発展を促進する方針だという。中部・台中市には台湾初の「国家漫画博物館」の建設が予定されている。