門前の店先で読経する僧侶たち。商売繁盛を祈った
京都市左京区の大原地区で23日、三千院の歳末行事「托鉢(たくはつ)寒行」が行われた。山里にほら貝の音を響かせ、門前店舗や民家を回って、商売繁盛や家内安全を祈った。
透き通るような青空の下、午前9時前に開門され、堀澤祖門門主を先頭に僧侶や地元住民約60人が4班に分かれて出発。3時間かけて大原地区の約600戸を歩いた。ほら貝の音に気付いて表に出てきた住民や店員の前で読経して無病息災を祈願し、お札を手渡した。
山門前の漬物店店員多田江里さん(38)は「今年は天候不順で紅葉シーズンが短く、見逃した観光客も多かった。来年は台風被害もない平穏な1年になってほしい」と願っていた。集まった浄財は天台宗務庁(大津市)を通し、災害被災者や難民の救援などに充てられる。