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京都で中国客向け白タク横行 観光地混雑、摘発に課題

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清水寺近くの路上で、中国人観光客を降ろす練馬ナンバーのワゴン車
(20日午前10時47分、京都市東山区)



中国人観光客を相手にした無許可タクシー(白タク)が近年、京都市内で急増している。来日前にインターネットで予約できることや、中国語に堪能な運転手がガイド役を兼ねていることが中国人観光客に受けているとみられる。繁華街や寺社周辺では白タクの路上駐車が横行して混雑の原因にもなっており、京都府警が警戒を強めている。

 旅行代理店を経営する伏見区の男(49)が11月末、白タクを営業したとして道路運送法違反の疑いで府警に逮捕され、罰金50万円の略式命令を受けた。府警によると、男は二条城や金閣寺、伏見稲荷大社などを1日かけて巡るプランを用意し、中国の会員制交流サイト(SNS)で乗客を募集。10月上旬以降、中国人観光客5組からそれぞれ1日約4万~6万円の運賃を得ていたという。

 男が提示した料金は、府内でタクシー1台を10時間利用した場合の相場と同額で割安感はなかった。ただ、男は中国出身で中国語と日本語に堪能な上、過去に観光バス運転手を務めるなど京都観光に詳しかった。府警は、ガイド役と運転手役を兼ねられることが、乗客確保に有利につながったとみている。

 府警は白タクの増加に警戒を強めるが、摘発には課題も多い。道路運送法違反罪を適用するには、運賃の受け渡しを立証する必要がある。しかし、運賃のやりとりは中国国内の銀行口座で行われることが多く、捜査関係者は「捜査権が及ばず、裏付け作業が進まない。現場で声を掛けても『知人を送迎しているだけ』と言い逃れされることも多い」と明かす。

 そんな中、府内のタクシー業界も対策に乗り出した。62社でつくる京都タクシー業務センター(伏見区)は昨年3月から、京都駅前の2カ所で外国人優先乗り場を設置。スマートフォンで乗車予約できるアプリの運用も始めた。運転手を対象にした中国語会話の講習も新たに開く予定だ。

 白タクは任意保険などに未加入で事故時の補償が不十分になる恐れもあるといい、同センターは「違法運行をやめさせるには、業界が一丸となり、顧客のためのサービスを充実させていくしかない」としている。


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