(法然の木像のほこりを払う僧侶たち)
京都市東山区の浄土宗総本山・知恩院で25日、新年を前に宗祖法然の木像のほこりを払う「御身拭(おみぬぐい)式」が営まれた。息が掛からないよう「覆子(ぶくす)」というマスクを着けた僧侶たちが、白い布でゆっくりと像をふいた。
御身拭式は1650年頃から始まったとされる歳末の行事。木像をまつる法然上人御堂では冒頭、伊藤唯真門跡(86)ら僧侶が法要を行った。
「南無阿弥陀仏」の念仏と木魚の音が響き渡る中、僧侶が御堂内陣にある厨子(ずし)の扉を開け、慎重に像を外へ運び出した。伊藤門跡と菅原達孝副門跡(86)が香で清めた羽二重と呼ばれる絹織物の布を使い、丁寧に像の顔や腕をぬぐった。
堂内には約800人の参拝者が集まり、僧侶たちの動きに見入りながら、来る年への思いを新たにしていた。