洛北の静かな寺で哲学を語り合おうと、京都市左京区の妙満寺が2カ月に1度の「哲学カフェ」を続けている。「正すとは?」「落ち着くとは?」など、日ごろは深く考えずにやり過ごしていることをテーマに、参加者が対話を深めている。
妙満寺の塔頭・大慈院の土持悠孝住職(33)、住職の知人で高校非常勤講師の古賀裕也さん(39)=東京都渋谷区=らが中心となって、2017年5月に初回を企画した。哲学カフェは喫茶店などで開かれることもあるが、静かで穏やかな寺独特の空気を感じつつ思考を深めたいと、毎回10人前後が参加している。
11月末に開かれた4回目のカフェでは、寺を歩きながら感じたことを参加者が1人ずつ発表。「遺骨とは」「お経は誰に聞いてもらうために唱えるのか」など頭に浮かんだ疑問を出し合った後、進行役の上智大大学院生永井玲衣さん(26)=同=とともにテーマを絞り込んでいった。毎回明確な答えは出さないが、終了後も参加者同士が熱心に語り合う時も。
卒業論文で哲学カフェを研究する京都大5年生の花岡佑果さん(23)=左京区=は「お寺は死生観が身近になる独特な場所。住職の存在も対話を助けてくれるようで、ほかの場所に比べてプラスアルファがあると思う」と話す。
次回は1月27、28日に開催予定。両日とも午後2~4時半。参加費千円(妙満寺拝観料を含む)。問い合わせは妙満寺075(791)7171。