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京都・西陣、和歌と写真で表現 地元の2人コラボ

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写真歌集を出版した本郷さん(中央)と水野さん(右)、出版に協力した末木名誉教授



京都・西陣をテーマにした写真歌集「京都西陣 うたを紡ぐ」を、地元に長年住む歌人の本郷住枝さん(83)=京都市上京区=と写真家の水野克比古さん(76)=同=が、このほど出版した。織物業が全盛期だった時代の思い出や風情ある町並み、住民の営みなどを感性豊かな短歌と写真で表現している。

 本郷さんは奈良県天理市の出身。西陣の帯問屋の男性と結婚し、京都に移り住んだ。短歌結社「コスモス」に所属し、これまでに歌集を2冊出している。新作では、生まれ育った京都を長年撮影してきた水野さんに短歌と合う写真の提供を依頼したところ、快諾を得た。

 短歌約200首と写真120点を収録。「五百五十年の歴史まもれる西陣のこころと技はたてよこの糸」という歌には、織機で作業する職人の写真を添えた。「七行の銀行ありし西陣の中央いまは一行もなく」という歌には、大手銀行の前を市電が走る1965年の写真を組み合わせ、七つの銀行があった織物業の最盛期の雰囲気を伝えている。

 京都の庭園や風景などを多く撮影してきた水野さんは「西陣が題材の写真集は初めて。人生の証を表現できた。西陣織は今も最高の技術がある」と力を込める。本郷さんと歌会を通じて交流があり、出版にも協力した国際日本文化研究センターの末木文美士名誉教授は「西陣で生きてきた重みのある歌が詰まっている」と評する。

 本郷さんは「心に感じた西陣の音や風景を詠んできた。今年の西陣発祥550年に合わせて出版できて良かった。西陣の歴史を後世に残すことに貢献できれば」と話している。
 2200円(税抜き)。大垣書店で購入できる。


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