(金門 2日 中央社)離島・金門で最も古い商店街の一つ、「模範街」の店先に先月31日から、中華民国の青天白日満地紅旗と中国大陸の五星紅旗が掲揚され、並んで風にはためいている。この“奇観”をカメラに収めようと、元旦から多くの人々が同地を訪れている。
模範街は1924年に形成された。赤れんが造りの建物40軒が整然と並ぶ、レトロな雰囲気が特徴。近年観光地化が進み、レストランやバー、土産物店などが集まっている。
国旗を飾ったのは現地の陶芸家、王明宗さん。地元の経済を活性化させようと思案を巡らせた末に生まれたアイデアだという。
戦後、国共内戦の舞台となった金門。だからこそ、この特色を生かして観光客を呼び込みたいと語る王さんは、「五星紅旗に敏感だった昔とは時代が変わった」と言い切る。また、旗はあくまでも芸術であり、「純粋に金門の発展のため」だと強調し、この光景を金門観光の目玉にしたいと意欲を燃やしている。
模範街を訪れた人々の反応は「親しみが湧く」「台湾本島では見られない光景」「変な気持ち」などさまざま。商店街側は、人集めの効果が期待できるなら異議なしとの見方が多数を占めているという。