木彫り工芸が盛んな苗栗県三義郷にある三義駅にこのたび、カラフルな木彫りの人形が出現した。紫色の衣装を身にまとったソバージュの女性。だが、顔面は蒼白。駅舎とホームを結ぶ薄暗い地下道に置かれ、利用客を驚かせている。
同駅構内には約10年前から木彫り作品が展示されている。同地の名産品をアピールしているが、斬新な色使いにインターネット上でも「びっくりした」「台鉄に抗議するべき」との苦言が噴出。評判はいまいちのようだ。 同駅によると、最近になり塗装のはがれが目立ったため、木彫りに詳しい人に再塗装を依頼したところ、現在の出来栄えになったという。本来は木の色を生かした作品だったらしいが、そんな面影は微塵も感じられない。 突然の変貌に制作者の王信一さんも驚く。ただ、作品は台鉄側に贈ったようなものとし、原状回復を勧めながらも、創作当時の思い出をよみがえらせてくれたと台鉄に対してユーモアたっぷりに感謝を示している。