(台北 5日 中央社)公海上で石油精製品を北朝鮮船に移し替えたとして、香港船籍のタンカーが韓国政府に拿捕された問題で、水産会社の責任者を務める台湾人の男がタンカーの輸出申告書に虚偽の記載をしていたことが分かった。高雄地方法院検察署(地検)が3日、明らかにした。外交部の李憲章報道官は同日、政府は引き続き捜査と制裁を行うとし、国際社会の一員として北朝鮮に対する制裁に積極的に協力していく姿勢を強調した。
高雄地検によれば、拿捕されたタンカー「ライトハウス・ウィンモア」に台湾企業が関係していると報道されたのを受けて調査を進めたところ、男が提出した申告書に虚偽記載の疑いが発覚。2日に男を取り調べた結果、男は公海で密輸が行われると知りながら、タンカーの仕向地を「香港」と記載していたことが判明した。検察は男の行為が文書偽造の罪に当たり、犯罪の疑いが濃厚だとして、150万台湾元(約573万円)での保釈と出境制限を命じた。
海外メディアによれば、韓国外務省はタンカーが「ビリオンズ・バンカー・グループ」によってチャーターされたものだと発表した。交通部や高雄市政府によると、ビリオンズ・バンカー・グループはマーシャル諸島で法人登記しているが、高雄に関係会社を2社置いている。いずれも漁船企業で、2社とも100トン級以上のマグロ釣り漁船の登記を行っているという。