(新竹 6日 中央社)かつての秘密偵察部隊「黒コウモリ(蝙蝠)中隊」の駐屯地跡(北部・新竹市)に造られた公園が、昨年3月から始まった再整備を経て、より歴史的意味合いの濃い「東大飛行公園」に生まれ変わり、6日に供用開始された。銃弾を浴びた飛行機などをモチーフにした7つのアート作品が新たに園内に設置され、来園者に部隊の歴史を語り継ぐ。
黒コウモリ中隊は1952年の発足から1972年まで活躍した中華民国空軍第34中隊を指す。「黒蝙蝠」と呼ばれた黒い偵察機で夜の闇に紛れて出動し、中国大陸上空で情報収集に当たった。非常に危険な任務だったため、20年間で148人の殉職者を出したという。同隊ゆかりの文物を集めた「黒蝙蝠中隊文物陳列館」が2009年、同公園の隣に開館している。
同日招かれた元隊員9人の一人、李崇善さんは「任務中に発見され、敵の銃弾が尾翼に命中したこともある」と当時を振り返った。また、より多くの人が公園を訪れ、歴史を知ってくれることは「とてもうれしい。感動する」と声を強めた。
林智堅市長は大人も子どもも同公園で過去について学び、黒コウモリ中隊の貢献に敬意を払ってもらえればと期待を示した。