ベンガルヤマネコの「集宝」
(台北 6日 中央社)台北市立動物園で飼育されているベンガルヤマネコのメス「集宝」が9日、生まれ育った中部・南投に里帰りする。その1週間後にはオスとの“見合い”が予定されており、台湾におけるベンガルヤマネコの保存に大きな責任を担うことになる。
ベンガルヤマネコは絶滅危惧種に指定されており、同園の広報担当者によると、台湾に生息する野生の個体数は600匹に満たない。集宝は弟の集利とともに農業委員会特有生物研究保育センター(南投県)で2013年に生まれ、同年末に野生に返された。だが、集宝は負傷してセンターに戻ったため、野生での生活には不適合だと判断され、2014年6月に同園にやって来た。
同園が実施した野生動物保護について伝えるイベントなどにより、集宝は来園3年半ですでに多くのファンを獲得しているという。
見合い相手のオス「阿中」は2016年1月に南投県内で誤って捕獲装置に捕まっているところを農家に発見され、センターに搬送された。当時1歳余りだったが、左前足の傷の状態が深刻だったため切断を余儀なくされた。身体が不自由で野生での生活は難しく、センターで保護されている。
集宝と阿中が一緒に暮らすことになる新居には、個室の間に小さな扉が設置され、飼育員は適宜に扉を開けて2匹を交流させる。相性が合わない場合は互いにプライベートな空間を保てるように対応するという。
集宝の代わりに、同園には集宝のおばに当たる「小母」がロングステイする。小母は同園到着後の1カ月にわたり検疫のために隔離される。ベンガルヤマネコの屋外展示場は期間中、修繕や消毒が行われる。