彰化県花壇郷で食材のほぼ全てが自家製という地鶏料理店「黒公鶏」に毎日多くの客が詰め掛けている。食材の供給元となる自家養鶏場や自家農場では大量の雇用を生み出しており、地域振興の好事例としても、地元では有名だ。 同店はもともと、黒毛土鶏と呼ばれる地鶏の養鶏場を営んでいた葉明杰さんが1992年にオープンさせた。追い求めるのは食材の安全さ。「“食材”は使っているけど“食品”は使っていない」。加工されたものは原則使わないという。
事業の拡大でレストランの店舗数は現在13店に増加したが、初心を忘れることなく、こだわりを貫いている。 旬の食材だけを使用。その一方で農場ではさまざまな栽培方法を積極的に導入し、本来夏にしか収穫できないとされるタケノコは、工夫を凝らし1年中収穫できるようにした。放し飼いで育てる地鶏もきめ細やかな管理で年間を通して安定供給を図る。 また、雇用については惜しみなく十分な待遇を与えて優秀な人材を確保。地元を離れて就職した若者がUターンしてくるケースもあり、県政府も葉さんの取り組みを評価しているという。「100年以上続く店を築きたい」葉さんはこれからの目標に目を光らせた。