楊明亮さんが撮影した台湾の野良猫。
楊さんがこの一枚に付けたタイトルは「集団いじめ」=楊明亮さん提供
(台北 10日 中央社)画家の楊明亮さんが4年をかけて撮影した野良猫の写真をまとめた書籍の発表会が9日、台北市内で開かれた。数万枚の中から厳選した写真とユーモアあふれる文章で、野良猫の生活を人々に伝えている。
楊さんは数年前、野良猫の写真を偶然撮影したのをきっかけに、台湾各地で様々な猫の表情をカメラに収めてきた。
撮影の過程では、多くの愛猫家と知り合ったと語る楊さん。南部・高雄の小さな町では、野良猫の世話を地域住民に許容してもらうためだけに、毎日町のごみ拾いや清掃に励む英国出身の高齢男性に出会ったという。
発表会の会場となった私設図書館「益品書屋」のオーナーで、外食企業、王品集団創業者の戴勝益さんも3匹の猫を飼育する愛猫家。野良猫や野良犬がいる現状を憂い、ペットを飼育する際は購入するのではなく、里親という方式を採用するよう呼び掛けた。
行政院(内閣)農業委員会の統計によれば、昨年1月から11月までに台湾全土の公立動物収容所に収容された犬猫などは計4万524匹。そのうち約2%に当たる753匹が殺処分され、3417匹が所内で死亡した。引き取られたのは3万3111匹で、全体の約82%となっている。台湾では昨年2月、公立収容所での殺処分の全面的な廃止が発表され、殺処分率は2016年の約12%から大幅に低下した。