インド・ランガルにある中華民国軍墓地
(ニューデリー 17日 中央社)中国大陸の外交官がインドにある中華民国軍墓地を観光名所にするよう現地の自治体に提案したとインドメディアが15日までに報じた。中華民国駐インド代表処の田中光代表(大使に相当)は15日、墓地の厳粛な歴史的意義を貶める行為だとし、不適切だと非難した。
インドメディアによると、中国大陸の馬占武・在コルカタ総領事など5人の官僚は12日、インド東部ジャールカンド州にあるインド駐留中華民国軍ランガル墓地を訪問し、地元政府の職員と面会した。馬氏は、中国大陸は同墓地を観光名所にするようジャールカンド州政府に正式に求めたと語ったという。
同墓地には第2次世界大戦中に連合国軍援護のためインドに派遣され、抗日戦で殉職した兵士が眠る。667人が埋葬されたが、氏名が判別可能なのは40人のみだという。中華民国政府は1982年と2011年の2度にわたり墓地の修繕を行い、駐インド代表処が毎年春と秋に慰霊祭を開いている。
田代表は、埋葬されている兵士は全て中華民国国民だと指摘。墓地の修築や維持、管理などは中華民国政府がインド政府の許可を得た上で実施していると言及し、これらは事実であり歪曲してはならないと話した。
また、同墓地の現状を変更するには、中華民国政府に問い合わせた上で同意を得る必要があると強調した。
中国大陸は抗日戦に関する「話語権」(言説の影響力)を獲得しようと、同墓地に対して積極的な動きを見せている。2015年11月には、馬総領事が多数の人員やインド軍の兵士を従えて同墓地に無断で強行進入し、台湾側から反発を浴びていた。