スマートフォンゲーム「旅かえる」の画面
(台北 2日 中央社)日本企業が開発したスマートフォンゲーム「旅かえる」が近日、台湾でも高い関心を集めている。EC(電子商取引)サイト、friDayのビッグデータ統計によると、同ゲームに関連する用語のインターネットでの検索数は先月下旬以降、通常の70倍近くに急上昇。心理学の専門家はヒットの背景について、単純な生活や心温まるやり取りなどを切望する現代人の心を表していると分析している。
遊び方は、旅好きのカエルのために旅の用意をしながら帰りを待つだけというシンプルなもの。カエルは旅立つのも帰宅するのも不定期で、台湾のフェイスブック上では「うちのカエルはずっと家にいるんだけど」「なんで戻ってこないんだろう」など架空のカエルの動向に気をもむ投稿が多々見かけられる。
馬偕医院(台北市)の心理カウンセラー、羅恵群氏は同ゲームについて、プレーヤーの主導性が低い点を特徴に挙げる。プレーヤーとカエルは従属関係ではなくパートナーであり、人と人との結び付きに似ていると指摘。プレーヤーはゲームの内容を気にしているのではなく、結び付きの感覚を期待していると説明する。
プレーヤーはカエルのために毎日クローバーを収穫したり、弁当を準備したりするだけで、実質的な収穫はない。それでもカエルを手助けし、カエルがご飯を食べたり字を書いたりするのを見て楽しい気分になるのは、社会心理学における「利他主義」の例だと羅氏は解説した。