(台北 4日 中央社)台北の老舗ホテル「円山大飯店」(グランドホテル台北)の快進撃が続いている。赤字が続いていたが、2016年に黒字転換を果たし、昨年の営業収益は過去15年で最高となる12億8612万台湾元(約48億3000万円)に達した。同ホテルの張学舜董事長(会長)はこのほど、中央社の取材に応じ、個人客や日本人旅行客の利用の増加が収益拡大に寄与したと明かした。
中華風の宮殿を思わせる外観で台北のランドマークとして知られる同ホテルは1952年に開業。当初は海外から多くの観光客を集めたが、市内に他のホテルの開業が相次ぎ、競争が激化。次第にかつてのにぎわいを失い、赤字に苦しむようになった。2016年9月、張氏が董事長に就任。企業文化の改革やサービス向上などに取り組み、同年には1500万元(約5600万円)の黒字化に導いた。
昨年の同ホテル宿泊客全体のうち、中国大陸からの旅行客が占めた割合は34.9%で、前年比3.7ポイント減。一方、日本人旅行客は前年を3.9ポイント上回る31.6%となった。中でも、高校生の修学旅行による宿泊が最も多かったという。
張董事長は、これまで同ホテルを利用していた中国大陸客の多くは団体客で、1人当たりの消費額が少なかったと指摘。だが近年は、比較的高い宿泊料金でも受け入れやすい傾向がある個人客や日本人旅行客の利用が増加したことで全体の客室単価が引き上げられたと分析している。
張董事長によれば、昨年の大みそかから今年の元旦にかけて、同ホテルは満室となり、そのうち4割が日本人旅行客だった。旧正月(今年は2月16日、春節)には中国大陸旅行客が増加し、客室稼働率は95%に上っているという。