県教委に寄贈した「旧うみのこ」(左)と「新うみのこ」を見つめる永田さん
ペーパークラフトを趣味にする大津市の男性が、琵琶湖の学習船「うみのこ」を作り、滋賀県教育委員会に寄贈した。3月に引退する旧船と建造が進む新船を精巧に再現した2作品。新船の就航を盛り上げたいとの思いのほかに、男性は「旧うみのこは惜しまれて引退する。乗船した人の思い出となるよう活用してほしい」と話す。
作品を発表するインターネットのサイト「わかくさモノ造り工房」を運営する永田智也さん(44)。2009年ごろから趣味でペーパークラフトを始め、子どもがうみのこに乗船したことをきっかけに、3年前に旧船を完成させた。
パソコンで立体図を描き、厚手の紙にその展開図を落とし、部品ごとにはさみで切って接着剤を使って組み立てる。新船は建造中のため、県教委が公表する完成予想のイラストのほか、進水式の新聞記事に掲載された写真なども参考にした。造船の現場にも足を運び、細部まで忠実に再現。新船の大きさは全長30センチ、高さ10センチ、幅6センチで、3カ月ほどかけてこのほど完成させた。
1日に大津市の県庁で贈呈式があり、青木洋教育長に2作品を手渡した。永田さんは、自身のサイトでうみのこの展開図を公表し、作り方も掲載している。「小学生でも作ることができる」と話し、寄贈した作品は「多くの人の目に触れる場所に飾ってほしい」と話す。