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特養入所17人が骨折や打撲 京都・宮津、職員が虐待疑い

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京都府は16日、宮津市由良の特別養護老人ホーム「安寿の里」で、入所者の90代女性が虐待を受け、ほかの入所者16人も虐待された疑いがあるとして、運営する高知県香南市の社会福祉法人香南会に介護保険法に基づく改善勧告を出した。骨折や打撲など不自然なけがをしている入所者もいるといい、府と宮津市は複数の職員が虐待に関与した可能性があるとみて、傷害と暴行の疑いで刑事告発を検討している。

 府によると、昨年12月13日、入所中の90代女性が「ベッドから転落した」として宮津市内の病院を受診した。医師は慢性硬膜下血腫と診断し、全身に多数の打撲痕や擦り傷、あざなどがあったことから虐待を疑い、市に通報した。

 府と市の調査で、受診した90代女性が同日午前0時ごろと同6時半ごろにベッドから落ちてけがをしたにもかかわらず、職員が速やかに報告しなかったことが判明した。市は、本来職員2人で介助するべきところを1人で行っていた状況によって、「外傷を招いたことは明らか」として虐待を認定した。直接的な暴力は確認していないという。

 また90代女性とは別に、2016年1月から今月にかけて70代以上の16人が骨盤の骨折や皮下出血などのけがをしていたことも分かったという。府介護・地域福祉課は「通常の介護ではできない傷で、職員による直接的な暴力があったかどうか調査中」としている。

 府によると、安寿の里は2015年開設で、入所定員は80人。


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