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「農福連携」七味を商品化 京都のメーカー開発

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京都の障害者福祉事業所が育てたトウガラシを使って
開発した七味唐辛子。1月のイベントで限定販売した



京都府内の障害者福祉事業所が栽培したトウガラシを使い、京都市伏見区の香辛料メーカーが七味唐辛子を商品化した。障害者の力を農業に生かす「農福連携」の取り組みの一環で、収穫量のほぼ全てを買い取って加工した。料亭などへの卸売りを足掛かりに販路を広げる計画で、メーカーの担当者は「京都を代表するスパイスに育てたい」と意気込んでいる。

 開発したのは、業務用のカレー粉やこしょうなどを製造する老舗メーカーの甘利香辛食品。農福連携を推進する府の働き掛けで、原料調達の面から福祉事業所の農産物栽培を支援することにした。

 トウガラシ作りには昨年、京都、亀岡、宇治、城陽、京田辺5市の6福祉事業所が挑戦した。府の農業指導員らに教わり、計1600株を作付け。障害者たちが収穫後、1本ずつへたを取り、天日に1、2カ月さらして乾燥させた。

 できあがったトウガラシは、同社が通常の七味に使う中国産の4倍の価格で仕入れ、国産のサンショウやユズ粉などとブレンド。京風をイメージし、さわやかな風味に仕上げた。缶入りの商品を1月に京都市南区の商業施設で催されたイベントで限定販売したところ、1個17グラム入りで750円と高めながら、2日間で120個以上が売れた。

 トウガラシの収量が少ないため、市販はせず、当面は京都の高級料亭や漬物メーカーに供給する。同社の甘利毅社長は「トウガラシはへたを取る作業や乾燥に手間がかかるため、福祉事業所には対価をきちんと払う。今後は京都で栽培する品種を増やし、一味唐辛子も開発したい」と話す。

 福祉事業所の側も手応えを感じている。身体障害者や知的障害者らが働く「さんさん山城」(京田辺市)の管理者である藤永実さんは「作った分を企業に買い取ってもらえると安心で収益も安定する」と喜ぶ。今年はトウガラシの作付面積を1・5倍に増やす予定という。


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