書家の王羲之が残した名作「蘭亭序」をテーマとする「蘭亭館」
(台南 5日 中央社)ランの祭典「台湾国際蘭展」が2日から南部・台南市で開催されている。同市の李孟諺代理市長によれば、今年展示されているランは過去最多となる20万株余り。展示品種は800種を超え、過去最大規模での開催となった。
同展は今年で開催14回目を数える。昨年は約25万人が来場し、取引の成約額は約92億台湾元(約330億円)に達した。李代理市長によれば、会場となった台湾蘭花バイオテクノロジー園区はラン産業の拠点としては世界最大級だという。
李代理市長は、今年はランで東洋の風情や詩歌の文化などが表現されたと紹介。メイン会場の1つ「蘭亭館」は、書家の王羲之が残した名作「蘭亭序」がテーマ。同作は小川のほとりで詩歌を作りながら酒を楽しむ宴の場で書かれたとされる。展示会場内には高さ7メートルの滝が造られ、来場者は宴の場にいるかのような雰囲気が味わえるという。
他にも台湾の寺廟文化と共にランを紹介する「蘭花文創展示区」やランをテーマにした商品の展示、販売を行う「蘭創館」、海外のランを集めた「海外景観展示」などのエリアが設けられている。
2日の開幕式に出席した陳建仁副総統は、蔡英文総統は就任以来、ラン産業の発展の推進にも力を入れてきたと説明。行政院(内閣)農業委員会によれば、2016年のランの輸出額は1億7285万米ドル(約180億円)に上り、花き全体の92%を占めた。
同展は12日まで。