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日本統治時代に地方自治を目指した活動家の記念館、ゆかりの地に開館/台湾

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記念館の除幕式に出席する蔡楊湘薫氏(左から3人目)と林佳龍台中市長(同4人目) 


(台中 9日 中央社)日本統治時代の宿舎をリノベーションした中部・台中市内の観光名所の一角に8日、地元の名士であり、地方自治の実現を目指した明治生まれの台湾人運動家、楊肇嘉氏(1892~1976年)の記念館が開館した。文物の展示などを通して、楊氏の生涯や地元との関わり、台湾への貢献などを紹介する。

楊氏は若い頃から地方自治について高い関心を寄せ、1930(昭和5)年に同市で成立した政治団体「台湾地方自治聯盟」の常務理事として、当時の日本政府に、州・市などの協議会メンバーの民選や、協議会を議決機関とすることなどを訴えた。戦後は台湾省政府委員などを務めて地方自治の推進に尽力し、晩年は中国医薬学院の董事長(会長)や総統府の国策顧問などの職に就いた。

記念館は、楊氏の母校である清水(旧名:牛罵頭)公学校(現・清水小)に1934(昭和9)年~1940年代前半に建設され、後に台中市の歴史的建造物に指定された教職員宿舎群が使用された。6棟ある宿舎は昨年3月に約3年がかりの修復工事が完了、うち4棟が清水小の多目的教室として使われている。

記念館となった2棟については、楊氏の娘で、金融大手・富邦グループの創業者、蔡万才氏の夫人、蔡楊湘薫氏や同グループなどが資料を提供し、関連設備を寄贈するなどして協力。林佳龍台中市長は8日の除幕式で蔡楊氏に感謝状を手渡し、同館の保存とPRに努めることを約束した。

蔡楊氏は、120年以上の歴史を持つ清水小は父親と自分の共通の母校である上に、父親が選んだ最初の職業が同校の教員だったと述べ、縁の深さを感慨深げに振り返るとともに、個人の歴史だけでなく、台湾の発展や過去も伝える同館が持つ多様な役割に期待を示した。



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