タクシー配車アプリ「ウーバー」に対する政府の対応に抗議するため、100台以上のタクシーが12日、行政院(内閣)を包囲した。周辺道路ではタクシーによる低速走行のため渋滞が発生した。
ウーバーは2013年の台湾進出後、各地でサービスを拡大。だが、運送業としての認可を得ないまま事業を展開していることから、交通部(交通省)が「違法」だとして取り締まりを実施している。一方で、ウーバーの登場で売り上げを減らしたタクシー業者による抗議活動がたびたび起きていた。
こうした問題を受けて、経済部(経済省)投資審議委員会は先月11日、1カ月以内に対応策をまとめると表明。今月2日には、早ければ今週中にもウーバーの台湾現地法人への投資許可を取り消す方針を示していた。
だが、経済部は11日、ウーバーによる行政訴訟が進行中であることを理由にこの方針を撤回。訴訟が終わるまで判断を見送ると発表したため、タクシー業者の怒りに再び火がついた。
抗議に参加したタクシー運転手は、政府によって合法的なタクシーが非合法のウーバーに取って代わられていると批判。ウーバーのせいで仕事にならないと窮状を訴える運転手もいた。