台北公会堂=台北市中山堂のフェイスブックより
(台北 23日 中央社)観光名所として名高い龍山寺や82年の歴史を持つ台北公会堂(現・中山堂)など、行政院(内閣)直轄市の台北市と高雄市指定の古跡6カ所を、国定古跡に格上げする取り組みが始まっている。文化部(文化省)文化資産局によると、審議会での審査を経て、遅くとも年末までには昇格が確定する見通し。
対象となるのは台北市の龍山寺(1738年創建、1920年改築)、保安宮(1742年創建、1917年改築)、台北公会堂(1936年築)、欽差行台(1892年築)、高雄市の旗後砲台(1876年築)、打狗英国領事館官邸(1879年築)。
同局の施国隆局長によると、台湾の文化資産保存法が定める古跡の分類法は1997年の改正で従来の「一級、二級、三級」から、「国定、直轄市定、県(市)定」の3種に改められている。これに伴い、法改正前に登録されていた全国48カ所の二級古跡のうち、台湾省(1998年に形骸化)の管轄だった42カ所が国定古跡に格上げされた。
直轄市の6カ所については昨年12月、文化部招集の審議会において扱いの見直しが提案され、国定古跡としての価値の再評価が行われることになったという。
日本統治時代に建設された台北公会堂は、1945年の日本敗戦に伴う降伏調印式が行われた場所として知られる。現在は演劇やコンサートなどが行われる文化施設として市民に親しまれている。
一方、龍山寺は、今回国定古跡への昇格が見込まれる6カ所で最も長い歴史を誇り、名匠の手による屋根飾りや書画、彫刻などはいずれも芸術的価値が高い。専門の学者は、台北発展の歴史を物語る“生きた歴史書”としても貴重だと指摘している。
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