大野小を出発する「あいの土山斎王群行」(甲賀市土山町)
天皇の名代として京都から伊勢神宮に派遣された斎王の行列を再現した「第21回あいの土山斎王群行」が25日、滋賀県甲賀市土山町の旧東海道沿いであった。平安装束の華やかな行列に、多くの見物客がカメラを向けていた。
斎王群行は、7世紀後半から13世紀中頃にかけて、天皇の即位ごとに行われた5泊6日の旅。道中、5カ所の頓宮(とんぐう)と呼ばれる施設で宿泊した。その一つが同市土山町頓宮の「垂水(たるみ)斎王頓宮跡」で、1944年に国史跡に指定された。
あいの土山斎王群行は地域の歴史を発信しようと、地元住民でつくる実行委員会が主催し毎年実施している。今年の斎王役は会社員中川恵さん(24)=同市土山町市場=が務め、十二単(ひとえ)姿で御腰輿(およよ)に乗り、女官役ら約80人と大野小から頓宮跡までの約3キロを歩いた。
沿道で見た平井政子さん(83)=同市甲南町杉谷=は「衣装もきれいで立派な行列。伝統行事として今後も続けてほしい」と話した。