メディア関係者の記念撮影をしようと、カメラを手にする蔡英文総統(中央)
(花蓮 1日 中央社)台湾東部地震で打撃を受けた花蓮県の観光業の振興につなげようと、蔡英文総統は3月30日から31日まで同県を訪問した。蔡総統は初日のあいさつで、政府は今後も同県の復興支援を続行すると約束。同県により多くの人が観光に訪れるよう促すとした上で、よく知られた観光地以外にも自分だけの観光スポットを発掘しようと人々に呼び掛けた。今回の訪問には複数メディアが同行した。
30日は、花蓮の名産である餅の製造業者や台湾原住民(先住民)クバラン族のバナナの繊維を使った伝統工芸の工房、アミ族の集落などを訪問。31日には、東部に広がる平原、花東縦谷やパイナップル農園、日本統治時代の営林場が保存されている林田山林業文化園区などを訪れた。同園区内での視察中、香港やオーストラリアからの観光客に記念撮影を求められると、蔡総統は笑顔で応じた。
また、蔡総統は非政府組織(NGO)の中華文化総会が主催する花蓮をテーマにした写真コンテストに応募しようと、総統府のカメラマンからカメラを借り、同行したメディア一行の集合写真を自ら撮影する一幕もあった。
同県は景勝地の太魯閣(タロコ)渓谷を始め、豊かな自然を擁し、観光地として人気の地域。だが、今年2月6日に起きた地震で建物の倒壊などの被害に見舞われたほか、観光業も影響を受けた。同県観光旅館商業同業公会(協同組合)の試算によれば、現地の観光業の損失は6月までで、少なくとも80億台湾元(約293億円)に上るとみられている。