(2018年04月06日 流通ニュース)
<ウィルソン社長、中川社長、隈氏>
新風館は、大正時代の建築の旧京都中央電話局をリノベーションした商業施設で、2001年開業。京都市指定・登録文化財第1号となっている。
<エースホテルが京都に進出>
<地域に開放された中庭>
今回、「伝統と革新」という新風館のコンセプトを継承し、「この場所ならではの魅力を持つ、京都のランドマークとなる開発」を新たなコンセプトに加え、ホテルと商業の複合施設に生まれ変わる。
日本のみならず、アジア初となる「エースホテル京都」の出店が決定。
従来の新風館とともに、新棟を建設する。新築棟については、地下1階から地上1階に飲食・物販など様々な魅力的な商業店舗を導入。2階から7階はエースホテルとする。
烏丸通に面した既存棟は、1階を商業施設とし、2階、3階はホテルの客室となる。ホテルは全体で213室を予定している。
商業棟のテナントは20程度を予定。エースホテルと調和する多方面の業種と交渉中だという。
NTT都市開発の中川裕社長は、「地域活性化を重視し、京都ならではの新風館の魅力をエースホテルとともに発信していく。アッパーグレードでありながら、クリエイティビティに惹かれる旅行客を集め、地元コミュニティとの交流を実現する。稼働率は常に8~9割を目指したい」としている。
エースホテルは、1999年にアメリカ・シアトルで最初のホテルをオープン。アーティストを引き付けるクリエイティブな雰囲気と地元コミュニティとの交流で、地域を活性化する、新たなカルチャーを生む出すホテルとして、世界中で人気を得ている。
エースホテルのブラッド・ウィルソン社長は、「日本の文化の中心であり、スティーブ・ジョブスやデヴィッド・ボウイなど多くの経営者・アーティストにインスピレーションを与えてきた京都に、進出できて大変光栄だ。エースホテルは日本、京都に多くの影響を受けており、この新しいホテルで、顧客に様々な体験を提供、地域とのつながりを体感してもらえればと思っている」と話した。
隈研吾氏が、施設の建築デザインを監修。ルーバーや木組みを多用し、京都の街の景観との調和を図る。
地下2階で地下鉄烏丸御池駅と直結。1階は地域に開放された中庭を中心に、烏丸通から東洞院通を繋ぐ賑わいのあるパサージュ(商業店舗が並ぶ通路)や、姉小路通への通路を設け、回遊性を高めた。
大通りで都市空間に面した東洞院通、京都らしい路地・町家の雰囲気を残す烏丸通とで、2つの顔を持つエントランスを備えている。
街歩きに変化をもたらし、地域との交流を促進、街のランドマークとなる開発を目指す。
隈氏は、「京都産の木を使うなど素材感のある温かみのある建物。いぶした銅板、墨色コンクリートなどで繊細な表情を出した。京都ならではの中庭空間を使いながら、街と建物が緊密につながる設計としている」とコメントしている。
■新風館再開発計画
所在地:京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2外
敷地面積:6384.73m2
主要用途:ホテル、店舗
構造形式:鉄骨造/地下鉄筋コンクリート造
規模:地下2階/地上7階
建物高さ:約31m
延床面積:2万5677m2(予定)
ホテル客室:213室(予定)
店舗面積:約2300m2(B1及び1F)(予定)
着工:2017年10月
開業:2019年末(予定)