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閉館を余儀なくされた築50年の映画館、嘉義県の文化財に/台湾

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嘉義県から文化財に指定される映画館「万国戯院」 

(嘉義 10日 中央社)南部・嘉義県大林にある築50年の映画館「万国戯院」が県の歴史的建造物に指定されることになった。同県文化観光局が9日に開いた審議会で決定された。消防用設備の不備で閉館せざるを得なくなった同館を文化財に格上げすることで保存・再開を支援し、文化による地域活性化につなげる狙いがある。

大林は日本統治時代の1914(大正3)年に製糖工場が建設されたのをきっかけに人口が増え、嘉義の経済の中心として栄えた町。万国戯院は1968年に大林駅前に開館し、70年代には人気レジャー施設として地元の人々に愛された。しかし、テレビの普及や糖業の衰退、従来の糖業鉄道に代わる自動車輸送の発展など、時代の波が押し寄せ、町全体が次第に活気を失っていった。同館も利用者が減り、1988年に閉館。その後火災に見舞われるなどし、長い間放置されていた。

転機は、地元の有志らが2012年に始めた町おこし運動だった。同館は修復を経て地元の歴史を伝える拠点として復活し、上映会や展示会などを通じて文化を発信してきた。しかし今年3月、消防用設備の検査で不合格に。現行の消防法にのっとって修繕すると当初の姿をとどめるのが難しく、閉館を余儀なくされた。

嘉義県文化観光局の許有仁局長によると、文化資産保存法の規定に基づくと歴史的建造物の修復・再利用は消防法や関連の規制を受けにくくなるほか、経費も文化部(文化省)文化資産局に申請することが可能になり、外観を保ったままの保存に道が開ける。

これまで復活プロジェクトをけん引してきた有志の江明赫さんは、地元の灯台として大林に観光客を引き寄せ、魅力を伝え続けてほしいと、同館の今後の役割に期待を寄せた。
(台北経済新聞)



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