蔡英文総統(右)と握手をする蘇貞昌氏=民進党提供
(台北 12日 中央社)11月の統一地方選で注目が集まる最大都市の新北市の市長選に、与党・民進党から元行政院長(首相)の蘇貞昌氏が出馬することがほぼ確実となった。
蘇氏は12日、台北市の党本部で党主席(党首)を兼務する蔡英文総統からの出馬要請を受け入れた。今月25日に開かれる中央執行委員会で党候補として正式に指名される見通し。
蘇氏は南部・屏東出身の70歳。立法委員(国会議員)などを経て、1997年から台北県(現・新北市)長に2期続けて当選。陳水扁政権(2000~2008年)では、総統府秘書長(官房長官に相当)や行政院長を歴任した。民進党には1986年の結成時から参加し、党主席を務めたこともある重鎮の一人。
2020年総統選の前哨戦とされる今回の統一地方選。22県市のうち、400万人弱と最多の人口を抱える新北市は、首都機能を持つ台北市と並ぶ注目の激戦区。民進党からは、蘇氏にとって子飼いの部下だった呉秉叡立法委員が市長選への出馬を表明し、蘇氏の支援を受けて積極的に活動していた。だが、支持率調査で野党・国民党候補の侯友宜・前新北市副市長に大きく水をあけられ、民進党の選挙対策委員会は11日、蘇氏擁立の方針を固めた。
2014年に行われた前回の新北市長選では、現職の国民党候補、朱立倫氏が民進党候補の游錫コン・元行政院長を僅差で破り、再選を果たしていた。(コン=方が2つに土)