工事中に見つかったコンクリート製の掩体=新竹市政府提供
(新竹 12日 中央社)図書情報パークの整備工事が進められている北部・新竹市の金城新村(通称:将軍村)跡地で、防空壕とみられるコンクリート製の掩体が見つかった。日本統治時代か戦後初期に設置されたものだと推測されている。同市文化局は、保存の方法などについて検討するとしている。
金城新村は1958年の金門砲戦後に台湾に移り住んだ金門防衛指揮部の幹部やその家族が暮らした宿舎群。日本統治時代の海軍第六燃料廠の南側一帯にあった空き地に建設された。新竹市は2015年、同村に残る建築物15棟を市の歴史建築に登録。同エリアを図書情報パークとして整備する計画に乗り出し、昨年11月に第1期工事に着手した。
掩体が発見されたのは、元は駐車場として使用されていた場所。この場所は建設中のパークでは「食べられる景観」として整備される予定で、整地作業が行われていた。
現場を視察した防空施設専門家の楊仁江さんによれば、内部の主な空間は高さ約188センチ、幅130センチ、長さ530センチ。約10人を収容可能な大きさだという。上部は赤レンガで覆われ、中間部分のアーチ状の天井には直径約18センチの通風孔が2つ設けられていた。
文化局は、発掘された掩体によって、同パークに歴史的味わいがまた一つ加わるだろうとし、どのように保存し、パークと融合させていくかを検討していく方針を示した。
同パークは2期に分けて工事が行なわれる。第1期は同村内の15棟のうち3軒と駐車場部分を対象とし、食べられる景観や小規模農家のマーケット、地域住民が交流する多目的スペースや食事ができる場所などとして整備する。今年10月に完成予定。今年着工予定の第2期では残る12棟を修復し、「眷村」(戦後に中国大陸から移り住んだ人々が暮らした集落)をテーマにした展示などを行う空間として生まれ変わらせるという。