春の宵を幻想的に彩るいけばなのライトアップ(12日京都市中京区・六角堂)
華道発祥の地とされる京都市中京区の六角堂で12日夜、大作のいけばなのライトアップが行われた。約150基の灯籠が境内全体をやわらかく照らし、幻想的な春の宵を演出した。
13日から始まる「春のいけばな展」に合わせた特別拝観を前に、報道陣に公開した。今年が明治維新150年の節目に当たることから、江戸から明治の作風を生かした重厚感ある古典立花(りっか)など7点の大作を、池坊専好次期家元や池坊中央研修学院の学院生らが山門や本堂周辺、池などに制作した。
池坊次期家元は「花の力」をテーマに、しなやかで力強い、藤や藤づるで草木のエネルギーを表した縦2・5メートル、横6メートルの自由花を出展した。寛永期の二代専好の「糸桜の立花」を基にした、縦4メートル、横8メートルの大作「桜一色二株砂物」は、中国やマレーシア出身の学院生らが制作。紅色のしだれ桜が風に揺れ、2度目の春を呼び込んでいた。
六角堂の夜間特別拝観とライトアップは15日まで。午後6~9時。拝観無料。いけばな展(有料)は16日までで、午前10時~午後6時。隣接の池坊会館で約千点の作品を披露する。